daily thinking running

はてなのプロデューサー(86世代)として日々想い、走る日々。

仕組みや狙いを理解して使いたいユーザーとそこまで気にはしないユーザー

たとえば、アメリカでAmazonKindleが発売されたときに、本のDLにかかる通信料をAmazonが負担するというサービスがあった。これは、「宣伝費」「書籍の販売から得られる利益」「端末の販売から得られる利益」のうちどこかで負担されているはず。

 

多くのサービスがユーザーに提示するメリットには、多くの場合に提供するメリットに紐づく対価があるはず。メリットを大きくするには「人数が多い」「利幅が大きい(生産性が高い)」「長期的にユーザーが利用する」のいずれかを増やしていけばよい。これらに比例して大きなメリットを提供できるはず。携帯電話の半額やPayPayの20%キャッシュバックキャンペーンなどはユーザーに提示するメリットとしては大きいがその分、上記のいずれかの強みがサービス・ビジネス特性としてあるからと説明がつくだろう。

 

こういったビジネス的な取り組みについて、狙いや仕組みをユーザーに明かさないというのは一般的で、「無料です、開発費のために広告掲載しています」程度はあっても、詳細なものまでは出せないことが多いと思う。これは出すという発想がないこともあるだろうし、様々なサービスで溢れかえる中で、選んでもらうには少しでもチープに見えないように、サービス基盤が脆弱に見えないようにという思いが提供者側にあるからではないかと思っている。

 

そんな中で、サービスの企画開発を全面的にサポートしている各版元さんのマンガサービスにおいて、その仕組みや考え方を適度にユーザーに伝えていく取り組みをしていくのは重要かなと感じている。

 

comic-days.com

 

マンガサービスは書店だけではなく、無料であろうが有料であろうが、雑誌的な側面に注目した場合に「定期訪問」サービスになっていく。いわゆるサブスクリプションの一種だと思う。この定期訪問をするにあたって、サービスに対する期待値や信頼度、将来性といった部分を大事にするユーザー群というのがいるなと個人的に想定している。ただし、このユーザーはそこまでもちろん多くない。そのうえで、メッセージを出して届けたいのは、ライトな接点を持っているユーザーを含めてすべてのユーザーではなくて、やはりそういった「サービスを正しく理解したいユーザー」たちだと最近は考えている。

 

 

XiaomiがOSを作りアップデートしていく過程で獲得していった能動的な関与をしてくれるユーザー群と雑誌に対して能動的に関与してくれるユーザー群が僕には重なって見える。そういったユーザーにとって重要なことは、1つ1つの判断の理由をより詳細に知ることができる手段があることだと考える。

 

マンガサービス含めて多くのWEBサービスを作っていく中で、情報が足りず「○○ではなくてこちらの開発をしてほしい」といったユーザーニーズは常に届く。その1つ1つに先手を打ってタイムリーに情報を出していくのは、センスや努力が必要な領域だと思う。でも、遅れたと思ってもユーザーに情報を出していく姿勢は重要なはずだ。

bookmark.hatenastaff.com

 

そういう意味では、最近はマンガサービス中心の開発をしているので関わる機会が減ったはてなブックマークの上記の告知は社内ながらとても良い告知をしているなと感じていた。

 

 

仕組みや狙いを理解して使いたいユーザーはもしかすると全体のユーザーの10%、5%にも満たないかもしれない。彼らのためにコミュニティ機能を作ることはコストに割に合わないかもしれない。でも、なにがしか接続点を用意することで、業界やサービスが持たれている誤った認識もすこしずつアップデートできるかもしれない。電子書籍や出版の業界はネガティブな情報とポジティブな情報で言うと全社の方がニュースになることが多い。それは、新しいことをやっている取り組みが、そういった「仕組みを理解したい」ユーザーに届いていないからなのではないか?と個人的には考えている。

 

そこまで気にしないユーザーにとっては非常に便利な仕組みを多くのマンガサービスは提供し始めていると思うし、無意識にそういった新しいサービスを取りこんで新しいマンガ体験をしているユーザーも多くいると思う。それはとても幸せなことだし、とても大事なことだけど、もう少しだけ仕組みや狙いを明らかにして、業界の空気を上向きにすることというのは増やしていけたらいいなぁと思っている。

 

はてなが作る以上、CGMであろうがなかろうが、ユーザーに応援され一緒になって盛り上げていくサービスであること、それは大事にしていきたい。すこし古い概念だと思うが、Web2.0的な取り組みは、サービスが増え続ける今だからこそ重要になってきているのではないかなと信じている。少しずつ、マンガサービスや業界の仕組みや狙いもこのブログで書いていきたいと最近は思い始めています。