僕がはてなに入って改めて出版業界に向き合ったワケ。
発表されました。
はてなに入社しても「少年ジャンプルーキー | 誰でもジャンプでデビューできる、マンガ投稿サービス」「村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト」「伊藤計劃記録 はてな版」と出版業界の仕事に相変わらず、携わり続けています。*1
前職では、電子書籍サービスの立ち上げから、有名漫画家さんのイラストコンテストやサイン会の生放送など色んな企画をしたり、紙のマンガのWeb進出の支援みたいなこともやっていました。とあるミステリー漫画で実際の探偵さんに謎解きをお願いするみたいなハチャメチャな企画もあれば、ナタリーさんと一緒に有名な漫画家さんのインタビューをしたりと、いろんな思い出があります。
一方で駆け足でいろんな企画をやったこともあって、少しだけ疲れたというか、大好きなマンガや本を読むのが辛くなった時期がありました。趣味を趣味ではなくて企画として捉えるのはすごく難しく、月並みな言い方ですが、趣味は仕事にするものではないなぁと思ったものです。その後、出版業界とは無縁の(だった)はてなという会社に入社し、業界と離れてwebの仕事に熱中していました。
入社して半年後、意図して少し距離をおいていた出版業界の仕事をする機会が訪れました。今思えば半年というのはクールダウンに調度良かったなと思います。目の前に広がった出版業界の仕事、もう1度手をだすのか、熱量を復活させることができるのか、少しだけ悩んだ記憶があります。
それでも前に踏み出して、仕事をするようになったのは、3つの理由がありました。1つは、外にでてみて業界の課題や問題意識を見つめることができたこと。2つは、業界の外にいるからこそ、解決策を思いついたこと。3つ目は、それを実現するための仲間とアイディアと立場(役職)があったことです。そうやって関わるようになったのがジャンプルーキーでした。
はてなとして、これまで関わる機会のなかった出版業界の仕事について、会社として踏み出すという意思決定を何故できたのか、会長に聞いてみたことが有ります。「熱意があったから」「何でもやり抜くという、芯を通した熱意を感じたから」そう言われて、そうか僕は出版業界の仕事をやっぱりココロを込めてできるのだなと自信を取り戻したことを覚えています。
はてなの関わる出版業界の仕事を全てディレクションしているわけではないですし、「あしたのヤングジャンプ | あしたを描く、あしたを読める | Webマンガ投稿コミュニティ」のように、自分が企画から殆ど関わらない案件も生まれています(それだけ、はてなはこの業界のwebによる挑戦を応援することに本気です)。
一方で「村上さんのところ」では、出版社の皆様の仕事ぶり、そして小説家としての村上春樹さんが持つ力をまざまざと魅せつけられました。出版業界が前に進む可能性をこの2つの案件で信じきれるようになったと思っています。
そして、発表されたのが冒頭の新・小説投稿サイトです。 今、出版業界は大きく変わってきているように思います。それは、創り手も新しい世代に変わってきているということもありますし*2、スマホを中心とした閲覧体験の変化が起きていることも大きいです。
そんな変化の中で、この業界を変える、前にすすめるのは外野のWeb企業にいる僕ではなくて、中にいる業界を前に進めたいと思っている人たちだと信じています。僕がこれまで話してきた方の多くは、もっともっと面白いことをやりたい、出版業界の持つ作品を作り、世に届けていく力を信じているカッコイイひとばかりでした。
ただそこから前に踏み出せなかったり苦戦したりするのは、webとかITとかの知識だったり経験だったり、そういう変化した世の中に適応する「手段(能力ではなく)」が不足していたということなんだと思います。なので、そこはWebとかITを生業にして、これまでもいろんな経験をしてきた「はてな」という会社がすっぽり収まっているのかなと思ったりしています。
僕がカッコイイと思った出版業界の人たちと僕がカッコイイと思った はてなの仲間たちが融合して、新しいサービスを作る機会が増え、とてもワクワクしています。たぶん、これが1番の理由です。僕は出版業界の未来はまだまだ明るいと思っていますし、明るい話題を増やすことができるように、出版とwebを融合させていくことを背負って行きたいと思っています。*3
それが僕が、はてなに入って改めて出版業界に向き合ったワケです。