daily thinking running

86世代として日々想い、走る日々。

お父さんの退官

我が家では、「おとん」「おかん」と呼ぶと僕の両親、「お父さん」「お母さん」と呼ぶと奥さんの両親というふうに呼び分けている。それぞれの家庭でなんて呼んできたかというのを引き継いでいる。

僕のおとんとおかんは、まだ働いているけどいわゆる再雇用というのもので、40年以上勤め上げた1社目は5年以上前に定年を迎えている。その時には、おとんもおかんも趣味の時間が増えるんだろうなと思って、素直に「お仕事お疲れさまでした」と伝えた記憶がある。

おとんにとって「仕事と趣味」は、同じくらい大事なもので両方頑張っているのがとても印象に残っている。今は趣味で続けていた写真で個展を開いたり、展覧会の審査員をやったりと、とても充実しているように見える。それでも、仕事は大変そうな時期もあったし、おかんから、「仕事でこういうつらいことをやらないといけなくて、お父さんも悩んでるみたいだよ」と高校生や大学生の頃に聞いて、写真ばっかり撮ってる人ではないんだなと思った記憶があります。だからこそ、定年を迎えたおとんとおかんは、これからの人生を応援しようと思った記憶があります。

 

さて、今年の3月にお父さんが退官になりました。33年親子をやってきたおとんとおかんと比べて、お父さんとはまだ10年くらいしか親子をやっていません。また、一緒に暮らしたことがあるわけではなくて、九州と京都と遠く離れて暮らしています。それでも子どもたちにとっては、大好きなお祖父ちゃんであり、いつもTV電話越しに会話しています。僕にとっても、そこまで遠い存在ではなく、10年くらいの付き合いもあって、お父さんという感覚があります。

 

そんなお父さんが退官になりました。おとんの時に感じた、「お疲れさまでした。写真楽しんで!」みたいな気持ちともまた違った気持ちを覚えました。

 

「退官したからこそ、色々とお父さんの仕事人生について色々と聞いてみたい」

 

なぜか、おとんのときよりもお父さんのときのほうが、それまでの人生についてとても興味を持ったのです。もちろん、ミステリー・刑事ドラマが好きな僕にとって、お父さんが警察官であることは影響している部分もあると思います。ただ、それ以上に高校を卒業後に警察官になり、最終的には大きな警察署の署長や部長などを歴任してきたお父さんが仕事上で大事にしていたことや家族とどう触れ合ってきたのかなどいろんな質問が浮かんできたのでした。

 

妻に今度の3月にお父さんが退官になると聞いたときは、「お疲れさまでした」と素朴に感じていたのですが、実際にその日を迎えてお父さんとTV電話越しに会話したときにはまた違う感情が湧いてきて、非常に不思議な気持ちを持ちました。掘り起こしてみると、趣味と仕事を大事にするおとんを尊敬する気持ちもありますし、10年の付き合いでしかないですが仕事人・公職者として勤め上げたお父さんの警察官人生に対しても強い敬意を抱いているんだなと。

 

僕にとっては、たくさんの尊敬する先輩がいてその人々から様々な影響を受けています。でもその中でも、おとんとお父さんが僕の仕事感や父親感に与えた影響は大きく、かけがえのないものなのだなと思っています。警察官はとても大変なお仕事で、休みに遊びに行っても仕事の電話がかかってくることもしばしばでした。退官されたらその電話もきっとなくなるのでしょう。お父さんの仕事を気にせずに飲みに行ったり、遊びに行けたりする機会が今後は増えていくのでしょう。楽しみです。

 

遠く離れた京都からの挨拶になりますが、「お父さん、退官おめでとうございます。2番目の息子は、退官したからこそお父さんに職業人生の話をいっぱい聞いてみたいと思っています。美味しいお酒お持ちします。これから、よろしくお願いします!」