Web漫画サイトにはスコッパーはいる。でも、インフルエンサーはいない。
洗濯機を回している時間が毎日あって、その時間は寝てはいけないので、オフになりきれない時間になっています。なので、その時間にブログを書くといいのではないかと気づいた最近です。
一昨日、こんな記事を書きました。
こんな記事を書くくらいなので、Web漫画サイトの運営として色んなサイトに深く関わっています。そんな中で、色んなサイトさんに一番初めに聞かれることが多いのが、インフルエンサーっているんですか?という質問。この人やこのサイトに見つけてもらったら話題になるような人っているんですか?という意味だと理解しています。アメトークで〇〇芸人やったら受けますよねみたいな必殺技を探していますという話なんだろうと思いながら、いつも「いません」という話をしています。
一方で、「スコッパーはいます」という話をします。スコッパーはweb小説発祥だと思うのですが、いろんな作品を読んで、その中で自分がオモシロイと思った作品を一言紹介を書いてくれる人々のことです。例です。
[第1話]怪獣8号 https://t.co/X6uOaoBXEZ あ、これは絶対面白くなる。というか一話でもう面白い。絶対次に来る。 pic.twitter.com/jjaE8HdbLu
— 中野 (@pisiinu) 2020年7月2日
大好きな妻だった https://t.co/WDlEeVISDb 無料読切。ツライ話だけどまあ読んでよ。webアクション、良い読み切り載せすぎてない?全部Kindleで単話売りして? pic.twitter.com/7wgLcwgQ5g
— 中野 (@pisiinu) 2021年9月18日
印象に残ってるTweetがたまたま同じ人でしたね。これだけをみて、中野さんをインフルエンサーって言うのは違うと思っていて、この人は色んな作品を読んで沢山紹介しています。その中で大きな話題を生むものがあるという状況に見えます。中野さんに限らず、同じような方が実際、沢山ますよね。はてなブックマークの中でもいっぱいいると思います。
もちろん、お一人お一人に名前もIDもあるのだけど、でも、私はこの人達を「名前が先にあって、話題を作っているインフルエンサー」と分けてスコッパーと呼びたい。情熱があって、紹介したい衝動があって(いや、実際知らないのでほとんど妄想です)、話題を生んでる人々、それがスコッパーさんたちだと思っています。
今週無料公開してるハンチョウの話、分かりみ過ぎて200万回ぐらい良いね押したいhttps://t.co/MI1le6RCdX
— まっきぃ@5話後半多分70% (@makkiTOEFog) 2020年10月13日
ちなみに、決してマンガをたくさん読んでスコップしている人ばかりではなく、案外話題になるようなTweetは、読者さんの一個人の純粋な感想からきてることが多いと思っています。これは僕もわかるーと思っていた回だったのでついついRTしたくなりました。もちろん話題になっていないTweetのなかでも印象に残ってるTweetもたくさんあります。
40巻達成記念にK2が無料配信してるんですけど
— あおいまなぶ@都産祭ブルアカオンリー (@aoimanabu) 2021年9月14日
私はこち亀のホンダラ拳の総帥みたいな麻酔医が活躍する回がすごく大好きなので是非皆さんにも読んで欲しいhttps://t.co/399iiqqzfI pic.twitter.com/7JH8Xg4J0E
今年では上記のツイートが一番自分に刺さりました。実際読んでみて、めちゃくちゃ面白い回で、本当にスコップしてくれてありがとう・・・ありがとうございます!となっていました。
インフルエンサーとスコッパーの違い、分かるようでよく分からないみたいなところありますよね。で、自分なりに整理してみたのが
- インフルエンサーは名前やブランド、その人の考え方に共感があり、その結果、言動に影響を受ける人が多い
- スコッパーは、スコップした作品とその感想に共感があり、その結果、同じような感想を持つ人が多い
という違いです。インフルエンサーを中心に広がっていくのに対して、スコッパーは共感を生み出し、横に広がっていくようなそういう広がりがあるイメージです。なので、スコッパーさん発の盛り上がりって、私も私もって感想を上げてくれる人が増えていき、スコッパーさんのTweet以外にも沢山のRTを持つTweetが増えていくことが多いです。K2のときは、思い思いにみなさんがK2の思い出を語っていたように思います。
このスコッパーさんが良い感想をいうためのもう1つの材料が、WEBですぐ読めることだと思うんですね。スコッパーさんの感想を踏まえて、自分も漫画を読んで見る、あー同じ感想だったわー、せっかく自分もスコッパーさんみたいにこの感動を周りに届けたいなー。こういうつながりのためには、「その場ですぐ読める必要がある」と思うんです。
なんならもっと繊細な感情があって、TwitterしているときはTwitterしているじゃないですか?なので、Twitterからリンク開いたらアプリDLしてほしいとか、アプリが開いたりしたら、Tweetする気なくなると思うんですよね。アプリはやっぱり便利なんですけど、Tweetするために便利になってるのではなくて、集中して漫画を読むために便利になってるんです。なので、理想的な作品の出会いは、スコッパーさんのTweetでマンガを「すぐWebで読んで」、その後「感想をシェア」し、「アプリをDLして最新話まで追いつく」のハズなんです。
ジャンプ+とサンデーうぇぶりはオリジナル作品が初回だけ全話無料なので、最新話まで追いつけるんですよね。
もちろん、ユーザーの状況によっては、アプリをDLしたりするほどの時間がないかもしれないけど、感動したことをRTやいいね、ちょっとしたコメントで紹介することはできる時間がある人って多いはずなんです(マンガ読んでるからには)。なので、このスコッパーさんから広がる共感の輪みたいなのをつなぐためにWeb漫画サイトがあるといっても過言ではないと思っています。こういったスコッパーさんたちの情熱がちゃんといろんな人々につながっていくのを見ることができると、GigaViewerを作ってよかったなと感慨にふけったりします。
僕らのビューワーはRSSをいれているのですが、作品のトップページはありません。ビューワーでもあるのですが、それ以上に雑誌のサイトなので、作品だけではなく雑誌を追ってほしい、そういう思想がその中にはあります。ただ、スコッパーさんが沢山の作品を追うのの手間もなくしたいという気持ちもあり、それが作品のトップページはないけどRSSはあるというある意味矛盾した形で実現しています。この形式が本当にベストなのかはずっと悩んでいますし、たとえば、作者さんの新作を追いやすいGigaViewer横断の作者ページなどがあるのも面白いのではないか?と考えたりすることもあります。でも、それ以上にまずは雑誌サイトを盛り上げることに注力していくべき、もっともっとやれることはあるといった風に考えています。
先日のエントリーでは、すこし自分たちの作った、作ってきたGigaViewerがあるからこそ、Web漫画サイトが盛り上がっているぞ!みたいなことを書いてしまいました。正直な気持ちを書くと、GigaViewer以上にスコッパーさんたちがこの数年、特にこの1,2年のWebマンガの盛り上がりを作ってくださってると思うので、一昨日の記事は言いすぎだったなーと反省したので、感謝を込めてスコッパーさんのお話を書いてみました。いつも本当にありがたいと思っています。きっと僕らだけではなく、作家さんも編集さんも喜んでる方多いと思っています。
これからもぜひ沢山のWeb漫画サイトをみって発掘して、共感を生み出していてもらえると嬉しいです。あとぜひ巡回サイトに最近の弊社の開発した2サイトも見ていってください。めちゃくちゃいい作品置いています。
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はてなブログ10周年がいいきっかけになったので、今後も少しずつ、洗濯機を待っている間に記事を書いていきたいなと思っています。