GigaViewer(ギガビューワー)を作るにあたって
こういう記事がはてなブックマークで話題でした。はてなでは、「少年ジャンプ+」や「となりのヤングジャンプ」(集英社)、マガポケ(講談社)などの出版社公式サイトの開発・運用を行っています。そのチームのディレクターをしているので、プロダクト面の責任者という立場として、思うところがあったので、書いてみます。
書いてあることの多くは、弊社謹製のGigaViewer(ギガビューワー)で改善したいと思っていたことです。いくつか観点を出します。
1.機能について(たとえば、ダウンロードじゃなくてストリーミングが便利など)
これはいくつかの部分で同意で、たとえばパケットの問題さえなければダウンロードよりもストリーミングが優れている部分が多いと私も思っています。ただし、こういった個別具体的な話というより、そもそもUI的により優れた体験をできるように公式サイトとして継続的な改善を期待されている状況だと考えています。
2.公式サイトを作るコストについて
公式サイトを作って、運用し続けるのは権利者への配分を踏まえるとかなり大きな金額が必要になってきます。
違法アップロードサイトが人気なのは「無料だから」だけではない
全ての権利者に何も配慮しないで良いので、その分のコスト(金銭+コミュニケーション)をUI改善に振り分けられるから、て側面もあるのかな。
2018/01/09 08:47
サイト運営に占める原稿料は比率としてもかなり大きく、そこを省いた部分で運用できるサイトと公式サイトの運用のコストは同じではありません。出版社や作者が抱えるリスクに対して、サイト開発に継続的に投資することまで巻き込むのは本当に勇気がいることになっていると思っています。
3.じゃあどうするの?
まず、GigaViewerの特徴を抜粋します。
▽ マンガビューワ「GigaViewer」とは
「GigaViewer」は、Webサイトでのマンガ閲覧に特化し、ユーザーが快適にマンガ作品を楽しむための機能を備えた弊社開発のマンガビューワ(※)です。
※ 「ビューワ」とは:画像や動画、電子書籍などを閲覧するためのソフトウェア■ 主な特徴
出版社が公式に運営するサイトにおいて、良い作品を届けるためのコストを吸収しながら、サイトとしても便利にしていく仕組みがここ数年求められていると思っています。なので、サービス収益化の支援を行うことで運用コストも吸収して、サイトも継続的にアップデートできる仕組みを用意し、サイトの開発をはてなでやることにしました。今3サービスに導入されています。
僕はマンガ村のUIが優れているとされるのは、権利者への支払いがないからだと真剣に思っていますし、権利者への支払いをしたうえで、マンガサイトを優れたサイトにしたいと真剣に思っています。まだまだGigaViewerはこれからのシステムだと思っていますが、漫画村ではなくて公式サイトで最高の体験を提供するために僕らは全力で開発をしていきたいと思っています。共感してもらえるかたはぜひ仲間になってほしいです。
僕の娘がいつか大きくなった時に漫画村ではなくて各社の公式サイトを楽しく読みたくなるようなサイトにしていきたいというのは僕の大事なモチベーションです。何年かかるかわからないですが、絶対やり遂げてインターネットとマンガ業界にポジティブに貢献していきたいと思っています。
いくつか言及していない観点については、言及できないというよりとにかく現状を伝えることを優先して書いているのでいつか書けたらと思います。