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daily thinking running

はてなのプロデューサー(86世代)として日々想い、走る日々。

「あなたが、世の中で初めてやったことはなんですか?」

※この記事ははてなディレクターアドベントカレンダー2016の12月13日の記事です。昨日は id:ayakoya による「編集からディレクターになって 」でした。

ディレクターとして、常に意識している大事なことに「世の中で誰もやったことがなくて、価値があることをやる」があります。言うは易しな言葉だと思うのですが、少し分解して考えてみようとおもいます。まず「誰もやったことがない」と「価値がある」に分解してみます。

「誰もやったことがない」というのは、「実現されていないこと」と「そして、それをやる人がおそらくいないこと」に分解できますね。「価値がある」というのは、「代替性がなく」「必要なこと」と分解することができるでしょうか。それぞれの項目について語ることはできますが、「必要なこと」については本エントリーでは触れません。必要とする人の数を気にしないとして、自分自身が使いたいと思えば必要なことと定義することはできますね。もちろん、沢山の人が必要とするコトというのを考えることも重要ですが、今回は省きます。

 

さて、「代替性がなく」は「誰もやったことがない」とほぼ同義語とできそうです。そうなると、ここで論じたいのは「実現されていないこと」と「そして、それをやる人がおそらくいないこと」についてです。まずは「実現されていないこと」について考えてみます。

実現されていないことを確かめることは、インターネットのような領域では不可能に近いと考えることもできそうです。言語や地域の問題もあります。そこで、「自分の所属する言語や地域において、実現されていないこと」としましょう。いわゆるタイムマシーン経営のようなモデルがすぐに思いつきますね。でも、それは「そして、それをやる人がおそらくいないこと」ではないことも多そうです。

ただ、どこかで実現されていて、それを日本に持ち込んだときは「世の中で初めてやったこと」と十分に考えられると思うので、それだけでもすごいことだと尊敬します。これを実現するには、インプットの広さまたは深さが求められるからです。「面白いことやりたい」や「インプット頑張ってる」という人の多くには、それを「世の中で初めて自分が実現する」までがんばれていることは少なそうですよね。中途半端な満足なのであれば、振り切っていきたいですよね。やはり自分はまだまだと感じることが多いです。

 

続いて、「そして、それをやる人がおそらくいないこと」です。これについて語るにあたり、すこし横道にそれます。これまで、このブログでは公開してきませんでしたが、僕は前職ドワンゴという会社にいました。なので、自分の思想の中に、川上量生さんが書かれた書籍などの影響やドワンゴという会社の影響を強く受けている部分があると感じています。「そして、それをやる人がおそらくいないこと」については、以下の本に考えのヒントがたくさん散りばめられていました。

  

ヒントについては長くなるので上記の本を読んでいただくことで割愛とします。そいで、ざっというと「障害が大きく」かつ「その問題を解決する手段が困難で」かつ「その手段を獲得するための触媒にたどり着くことができる」の3つがそろうと「それをやる人がおそらくいないこと」であり「実際にできること」であると認識できる状態になるのではないかと考えています。少し例を示しながら紹介します。

 

「あなたが、世の中で初めてやったことはなんですか?」と聞かれたら、2つ自分は代表例を回答するようにしています。「全世界のiOSアプリで実現されていなかった仕組みを作り、Apple公式を含めて他社が実現できていなかった適正価格でのコンテンツ課金モデルを実現した」。また「日本で事前にリニューアルを告知し、その中身を見せ、リリース後の不満について即日に全回答をした」の2つです。1つ目については、ほんとにどのアプリも実現できていなかったことだったので、Appleの担当者に粘り強く英語で説明するなど、一筋縄ではいかなかったのですが、ユーザーの利便性を訴えることで実現しました。そのAppleの懐の深さとユーザーファーストの考え方に強く感動したことを覚えています。その結果、一定期間の優位性を維持することが出来ました。あとあと、全く同じビジネスモデルのアプリが現れて、画面デザインなども類似していたので驚いていたのですが、人づてに「かなり参考にした」という話を聞きました。「世の中で初めてのことをできたのだ」という嬉しさと、真似ができる仕組みでしか実現できなかったことを悔しさを共に覚えたことを覚えています。

2つ目については、昨年からずっと行ってきたはてなブックマークアプリのリニューアルにおけるユーザーとのコミュニケーションについてです。これも、多くの人からやり方を参考にしたと言った意見を聞きました。以下などが代表例でしょうか。

 

 ・iOSアプリ「はてなブックマーク」に頂いたフィードバックの対応予定について - はてなブックマーク開発ブログ

 

話を戻すと、「障害が大きく」かつ「その問題を解決する手段が困難で」かつ「その手段を獲得するための触媒にたどり着くことができる」の3つの話でした。この3つのうち、どこからアプローチして考えるかは大きな違いが生まれると思いますし、宗派みたいなものだとしましょう。僕は、「その手段を獲得するための触媒にたどり着くことができる」から考える派です。今思っても上記の2例は、それぞれ所属している会社やチームの持つ文化が後押ししてくれて、他の会社や他のチームではできなかっただろうなと思っているからです。逆に、会社の文化やチームの仲間をよく知ることで、自分自身のアイディアを他の会社の人が実現できるかどうかの判断軸にしているともいえます。つまり、「触媒」は「会社の文化やチームの仲間」という考え方です。

世の中で初めてやったことをやるには、個人の「独創的なアイディア」が必要という意見や「天才的なエンジニアリングが鍵だ」と言った意見もあるとおもいます。でも、僕は「会社の文化やチームの仲間」が触媒として機能してくれる方が、自分一人で実現できることが大きいということを知っていました。だから、起業なんかして0から文化や仲間を作るくらいなら「特長的」で「自分自身にはない考え方」ができる会社に所属して、世の中で初めてのことを実現したいと思い続けています。ディレクターとして世の中で初めてのことを実現できる可能性が3年以内にある会社にいるか、常に自問自答しています。ディレクターという職種にいる方は自問自答すると良いのではないかなぁと思っています。

 

僕は今年で30歳になりました。今は、はてなでプロデューサー、ディレクターという仕事をしています。まだまだ世の中にはない「初めて」を自分自身で作ることもできると思います。頑張っていきたい。

そして、今年の8月より開発副本部長を拝命しました。それにともない、世の中にはない「初めて」を生み出すための組織や仕組み、大切な仲間を増やしていくことも力の限り頑張っていきたいと思っています。世の中にはない「初めて」を一緒になって、はてなで作ってくれる仲間を絶賛募集中です。 

hatenacorp.jp

※明日は、id:sugiyama88 によるブログです。お楽しみに。